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中国Gpixel社 新技術PulSarを発表

2020.01.30

リリース

GpixelがVUV/EUV、軟X線、さらに電子直接検知イメージングが可能なGSENSE製品群に展開できる新技術PulSarを発表

2020年1月30日、長春(中国)-Gpixelは高エネルギー光子検出性能を飛躍的に高めた新技術PulSarを発表しました。この技術は同社の全ての裏面照射(BSI)製品群(GSENSEファミリ-)に展開でき、真空紫外線(VUV)、極端紫外線(EUV)及び軟X線の検出量子効率を100%に近づける事が実証されました。加えて軟X線検出において、放射線損傷を抑制出来る優れた耐性能力も示されました。

Gpixelの科学用途向けのBSI標準製品は、高量子効率を要求する遠紫外線(波長:122~200nm)や電子線(エネルギー:1keV~10keV)のイメージングで実績を積んでいます。しかし、これらセンサ表面に形成されているパッシベーション膜(保護膜)が、より短波長のフォトンに対し、強い吸収特性を持つため、VUV、EUVや軟X線領域への応用に制限があり、同時に多くの場合、経時劣化を起こしてしまいます。

Gpixelの新技術PulSarは、従来のBSIセンサ表面に形成される反射防止膜とパッシベーション膜を無くす事で、VUV/EUV 及び軟X線に対する感度を飛躍的に高めました。同時に、この技術の根幹をなす新たなパッシベーション技術を開発しました。この技術により、表面近傍の不感領域の幅を狭め、暗電流を低減し、さらに放射線損傷に対する耐性も強める事ができました。Figure 1にPulSar技術を使用したGsense製品の量子効率(左)とエネルギー分解能を表すシングルイベントヒストグラム(右)を示します。この高いエネルギー分解能と高フレームレートCMOSイメージングの結合は、電子線直接検知イメージングと同様に、軟X線顕微鏡、EUVリソグラフィーの実用化実験を容易にするでしょう。

Figure 1 PulSar Gsense QE curve vs Photon energy (左). Histograms of single-event frequencies for photon-range of 92-1000 eV (右). 右図の横軸はシングルイベント検知のデジタル値(DN)を示す.

「Gpixelは我々の顧客である科学者に向けて、我々の新技術を提供出来る事を大変光栄に思っています。」とWim Wuyts(GpixelのCCO)は語っています。そして彼は次のように続けます。「我々はこの技術を大面積BSIセンサに広汎に展開する機会を持つ事に興奮を禁じ得ません。そのことでVUV/EUVと軟X線を合体させたユニークイなメージングオプションを我々の顧客に提供する事が出来ます。PulSar(PS)化したセンサは、元々の標準仕様センサと電気的仕様が同一である事から、既存の顧客デザインシステムに即座に且つ容易に適応する事が出来ます。」

PulSar 技術を導入したプロトタイプサンプルGSENSE2020BSI-PS(画素サイズ6.5um角)に関しては、現在、提供可能です。GSENSE400BI-PS(画素サイズ11um角)のサンプルに関しては、2020年半ばに供給できる予定です。他の製品のPS化は、顧客の要求によります。同技術をさらに知り且つサンプルの購入を考えられるのであれば、ぜひ以下のメールアドレスにご連絡を下さい。

info@gpixel.com

参考文献:
[1] GSENSE400BSI datasheet
[2] GSENSE2020BSI datasheets
[3] Characterization of a back-illuminated CMOS Camera for soft x-ray coherent scattering, Kewin Desjardins
[4] High-exposure-durability, high-quantum-efficiency (>90%) backside-illuminated soft-X-ray CMOS sensor, Tetsuo Harada, Nobukazu Teranishi, Takeo Watanabe, Quan Zhou, Jan Bogaerts and Xinyang Wang Applied Physics Express, Volume 13, Number 1, 016502, 2020.

GSENSEに関して

GSENSEシリーズは、世界をリードする当社のCMOSイメージセンサのファミリーです。これらの製品群は、低雑音化のための相関多重サンプリング,真の広ダイナミックレンジ化のための変換ゲイン可変型HDR機能をもち、さらに量子効率を95%にまで高めた裏面照射(BSI)技術も選択できるように設計されています。主な応用分野として、分光、蛍光発光、天文宇宙科学及び高エネルギー物理学におけるイメージングがあります。さらに、医療関連のイメージングやハイエンド監視システムへの応用にも適しています。現時点で、BSI型GSENSEファミリーには、GSENSE2020BSI、GSENSE400BSIとGSENSE6060BSIが含まれます。

Gpixelに関して

Gpixelは、経験豊富なCMOSイメージセンサ設計者達と半導体物理学者達によって、2012年に設立されました。Gpixelは、顧客及びビジネスパートナーと緊密な協力関係を築き、全世界に向けて最先端技術のCMOSイメージセンサを創出していきます。中国の長春オフィス(本社)、ベルギーのアントワープオフィス、日本の東京オフィスから、産業分野、専門分野、医療分野や応用科学の分野に対して、革新的で用途に適したハイエンドCMOSイメージセンサのソリューションを提供する事を約束します。より詳細な情報に関しては、以下のサイトをご覧下さい。

www.gpixel.com

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