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Gpixel、極低照度顕微鏡向けに最新世代の科学用イメージセンサー「GSENSE6504BSI」を発表 

2025.10.31

リリース

兼松フューチャーテックソリューションズ(KFT)が日本国内販売代理店を務めるGpixel社は、極低照度環境下での科学用途に向けた最新世代の裏面照射型CMOSイメージセンサー「GSENSE6504BSI」を発表しました。本製品は、単一光子検出と超低暗電流を可能にするGpixelの最新技術を採用しています。 

GSENSE6504BSIは、2048 × 2048(4.2 MP)の解像度を持ち、業界標準の6.5 μm²画素サイズと18.8 mm対角サイズを備えています。前世代のGSENSE2020BSIと同一パッケージ(153ピン µPGAセラミックパッケージ、ガラス蓋取り外し可能)を採用しており、既存カメラとの互換性も確保されています。 

■ 製品特長  

  • 量子効率(QE):450 nmで最大95 %、200〜300 nmの範囲で平均50 %以上 
  • 単一光子検出:100 fpsで対応可能 
  • 高速モード:300 fpsでサブ電子ノイズ(0.7 e⁻ メディアン) 
  • 低ノイズモード:100 fpsで0.43 e⁻(rms)、91 dBのダイナミックレンジ 
  • HDRモード:170 fps、0.8 e⁻(メディアン)、85 dBのダイナミックレンジ 
  • フルウェル容量:全モードで最大15 ke⁻ 
  • 暗電流性能:-30℃で0.004 e⁻/pixel/sec(GSENSE2020BSI比で1/17に改善) 
  • データ出力:オンチップ12 bit ADC、16チャンネルLVDS(各1.2 Gbps、合計19.2 Gbps) 
  • 消費電力:最大1.6 W 

■ 追加機能 

  • ローリングシャッター方式(グローバルリセット対応) 
  • ライトシートモード(同期用トリガー制御) 
  • オンチップ温度センサー、SPI制御 
  • 低暗電流モード(長時間露光に対応) 
  • 垂直ウィンドウ機能(低解像度での高速読み出し) 
図1. GSENSE6504BSIは、GSENSE2020BSIと同一の取り外し可能なガラス蓋付き153ピンµPGAセラミックパッケージに封止されており、既存のカメラとの機械的互換性があります。 

■ 3つの撮像モードを搭載 

GSENSE6504BSIは、用途に応じて選択可能な3種類の撮像モードを搭載しています。 

  • 低ノイズモード: 
    100 fpsで動作し、読み出しノイズは0.43 e⁻(rms)と極めて低く、オンチップのデュアルゲイン出力により91 dBのダイナミックレンジを実現します。 
  • 高速モード: 
    最大フレームレート300 fpsで動作し、読み出しノイズは0.7 e⁻(中央値)。高速撮像と低ノイズを両立しています。 
  • HDRモード: 
    170 fpsで動作し、読み出しノイズは0.8 e⁻(中央値)、85 dBのダイナミックレンジを提供。明暗差の大きいシーンでも高精度な撮像が可能です。 

いずれのモードにおいても、最大フルウェル容量は15 ke⁻を確保しており、広い光量範囲に対応します。 

図1. GSENSE6504BSIは、ノイズヒストグラムのピークが0.28電子(e⁻)、および0.43電子rmsで、単一光子の検出が可能です。 

図2. GSENSE6504BSIイメージセンサーを用いた単一光子検出実験は、ダイ温度-20℃、10万フレームで実施されました。 
各曲線は、凡例に示されたように異なるノイズ特性を持つ個々の画素の応答を表しています。 
 

■ データ出力と消費電力 

GSENSE6504BSIは、オンチップ12 bit ADCを搭載しており、画像データは16チャンネルのLVDSインターフェースを通じて出力されます。 

各チャンネルは1.2 Gbpsの伝送速度を持ち、最大合計データレートは19.2 Gbpsに達します。 

センサーの最大消費電力は1.6 Wであり、高速動作時でも効率的な電力管理が可能です。 

図3. GSENSE6504BSIとGSENSE2020BSIの信号対雑音比の比較。室温下で、平均信号レベルが2光子/画素の条件で解像度チャートを撮像した際の結果 

■ 読み出しノイズと暗電流性能の大幅な向上 

GSENSE6504BSIは、前世代のGSENSE2020BSIと比較して、読み出しノイズを約3分の1に低減するとともに、暗電流性能を約17分の1に改善しています。 

具体的には、-30℃(ダイ温度)において、GSENSE6504BSIの暗電流は0.004 electrons/pixel/secondと測定されており、同じ画素サイズを持つGSENSE2020BSIの0.07 electrons/pixel/secondと比べて大幅に低減されています。 

この性能向上により、長時間露光や極低照度環境下での撮像において、より高精度かつ安定した画像取得が可能となります。 

図4. GSENSE6504BSIとGSENSE2020BSIの暗電流の温度依存比較 

■ コメント(Gpixel社) 

「GSENSE2020BSIは長年にわたり顕微鏡業界で活躍してきました。GSENSE6504BSIはその性能をさらに進化させ、低ノイズ・高フレームレートを実現しつつ、UVから可視光、近赤外までの広帯域感度を維持しています。」 

— Wim Wuyts氏(Gpixel 最高商務責任者) 

図5. UV領域での高感度と超低ノイズ動作の組み合わせにより、GSENSE6504BSIの応用範囲が拡大 
図6. GSENSE2020BSIと比較して、GSENSE6504BSIの低ノイズモードは、ダイナミックレンジを維持しながら、より高いフレームレートでより低いノイズを実現 

■ センサー構造と機能 

GSENSE6504BSIは、モノクロ・ローリングシャッター方式のCMOSイメージセンサーで、グローバルリセット機能とライトシートモードを搭載しており、外部同期制御に対応しています。 

主な機能は以下の通りです: 

  • オンチップ温度センサー搭載 
  • オンチップSPI制御対応 
  • 低暗電流モードにより長時間露光が可能 
  • 垂直ウィンドウ機能により、低解像度でのフレームレート向上が可能 
  • 画像データ出力:16チャンネルのLVDS(各1.2 Gbps)による高速伝送 

同センサーは、153ピン µPGAセラミックパッケージ(ガラス蓋取り外し可能)に封止されており、前世代のGSENSE2020BSIと同一形状のため、既存カメラとの機械的互換性を確保しています。 

■ 製品提供状況 

サンプルおよび評価システムのご注文を受け付けております。 

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■ GSENSEシリーズについて 

GSENSEシリーズは、Gpixelが提供する超高性能ローリングシャッター型科学用CMOSイメージセンサーの製品群です。量子効率95 %以上、ノイズ1 e⁻未満、ダイナミックレンジ最大110 dB、データレート最大76 Gbpsなど、多様な仕様で分光分析、蛍光イメージング、天文学、物理科学、UVイメージング、医療用途に対応します。 

■ Gpixelについて 

Gpixelは、産業・医療・科学・プロフェッショナル映像分野向けに、カスタムおよび標準品の高性能CMOSイメージセンサーを提供する国際企業です。最新技術を活用した幅広い製品ポートフォリオにより、高性能イメージング市場の多様なニーズに応えています。 

公式サイト:https://www.gpixel.com 

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