真空対応 ヘッド分離型 sCMOS軟X線カメラ開発
カメラの真空導入が容易な「センサーヘッド分離型カメラ」を 株式会社アートレイ様と共同で開発しました。 センサー部とカメラ本体が分離しているため、センサー部のみを真空環境内に容易に設置できます。
導入前の課題
真空環境下で行われる
軟X線・EUV研究開発での課題
- 設置スペースの制限
- 真空環境下使用対応(アウトガス対策等)
により、カメラの設置が困難 - 使用が容易なカメラが無い
導入後のメリット
- センサーヘッドカメラ本体と分離することで、
センサーのみを真空環境下に設置でき、カメラの設置が容易に - UV領域に感度をもつセンサーを使用することで、
軟X線・EUV研究開発を容易に
導入事例詳細
軟X線やEUV領域の研究開発を行う大学、及び研究開発機関より「真空環境下で実験を行うための使いやすいカメラが欲しい」との要望を受け、UV領域に感度のあるGpixel社GSENSE400BSIを用い、既存の「通常型真空カメラ」「フランジ設置型カメラ」よりも真空導入が容易な「ヘッド分離型カメラ」を開発しました。
各タイプ比較
ヘッド分離型カメラ | 通常型真空カメラ | フランジ設置型カメラ | |
---|---|---|---|
真空対応カメラ 各タイプ概要 | |||
利便性 | 〇 | × | × |
センサヘッドが小さく、真空内の 取付自由度が高い | 真空内に大きなスペースが必要 | センサ設置位置がフランジ面に限られる | |
開発難易度 | 〇 | × | 〇 |
CCDではアナログ出力であったが、 デジタル出力になりノイズ増加無しでケーブルを延長可 |
| ||
コスト | 〇 | × | 〇 |
真空対応、熱対策が必要なためコストがかかる |
ヘッド分離型カメラの特徴
- カメラ本体が大気中にあるため、真空対応が不要。
- センサーヘッドが小さく、フランジ~ヘッド間はケーブル接続のため、
真空内の取付自由度が高い。 - センサーヘッドはペリチェ機構を持ち、真空内でのセンサー冷却も可能。
ヘッド分離型カメラは、センサー部とカメラ本体が分離しているため、 センサー部のみを真空環境内に置くことができ、設置が容易です。 また、真空環境で必要となる冷却ペリチェ機構も搭載しています。 併せて、以下の特徴があるGpixel社製GSENSE400BSI イメージセンサーを 使用しています。
- UV領域に感度を持つ2k x 2k 裏面照射型 S(Scientific)-CMOSイメージセンサー
- 95%のピークQE
- 長時間露光モードでの低ノイズ、低電力、24 fps で 93dB 超の高ダイナミックレンジ
- EUV、軟X線検知等、大学・研究機関で多数の採用実績あり
GSENSE400BSI仕様
お客様のニーズをお伺いし、兼松グループならではの世界的なネットワークと、 長年の技術力をもって最適な製品をご提案いたします。